法話1 ご仏壇について

ご身内を亡くされ、初めてご仏壇を求められる方からよくご相談を受けます。

ご仏壇とは、お寺のミニチュア。つまり、ご家庭における信仰の中心として、ご本尊様やご先祖様のご位牌をお祀りしお祈りする場所です。また、ご遺骨を納め自宅墓としてお祀りすることもあります。仏様を敬いお経をあげ、ご先祖様の冥福(めいふく)を祈ることにより、心を静め平穏な生活を送ることを目的としています。

ですから、その大きさや価格は関係ありません。敬う心を大切にされれば、安価なものや手作りの物でも構いません。ご仏壇を置く場所は、昔は仏間がありましたが、出来れば家の中心。人が集まりやすい場所が故人様も寂しくなくよろしいでしょう。方向は、西向きとか本山を背にとか色々と言われておりますが、あまり気にせず、生活に支障のない場所で大丈夫です。ただし、日が直接当たるような場所などは避けた方がよいでしょう。

ご仏壇は出来れば四十九日のご法要までにご用意願います。ご本尊様となります仏様は宗旨により異なりますのでお寺にご相談ください。(仏様はどこにでもいらっしゃるとの考えからご本尊様をお祀りしない方もいらっしゃいます。)ご葬儀の時の白木のご位牌は、四十九日までの仮のご位牌です。四十九日のご法要の時に仮位牌を撥遣(はつけん)(魂抜き)し、ご本尊様と本位牌の開眼(かいげん)(魂入れ)を行います。ご本尊様と本位牌はご仏壇にお祀りしますので、四十九日までにご仏壇をご用意いただきたいのです。

ご仏壇での毎日のお勤めですが、六種供養と言ってご仏壇にお供えする六種の供物があります。一つ目が閼伽(あか)。つまりお水です。これは、水はどんな形にも分けることができ、すべての物に恵を与えるということから布施(施し)を表します。2つ目が()(こう)。体に塗り身を清めるお香です。良い香りで全身を包みいつも清浄であること・つまり持戒(じかい)(仏様との約束を守り実践すること)を表します。3つ目が()(まん)。お花の事です。植物は自分では動くことができず、厳しい環境にも耐え立派な花を咲かせます。つまり忍辱(にんにく)(忍耐強いこと)を表します。4つ目が焼香(しょうこう)。お線香ですね。お線香は、少しずつ着実に燃え良い香りを広めます。精進(不断の努力)を表します。5つ目が飲食(おんじき)。ごはんです。人は食事を摂ると心が落ち着き、精神が安定します。つまり禅定(ぜんじょう)(精神を統一すること)を表します。6つ目が(とう)(みょう)。ロウソクです。暗闇を照らす明るい光は智慧(ちえ)を表します。朝起きたら身を清め(塗香の代わり)、仏壇にお花・お水・ごはんを供え、ロウソクに火をつけ、そこからお線香に火をいただき供え手を合わせ拝む。これにより六つ全部が揃います。ご仏壇で拝むことは、仏様やご祖様のご供養をするだけではなく、私たちも知らず知らず六波羅蜜(ろくはらみつ)(6つの尊い修行)を実践し、善行を積むことが出来るのです。

是非、皆様も毎日ご仏壇に手を合わせ、心を静め平穏な日々を送りましょう。

合掌

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA