「お墓参りをするとお墓の後ろに細長い木の板がありますが、これは何ですか。」という質問を受けることがあります。
今回はこの板『卒塔婆』についてお話しいたします。
この板の名称は、卒塔婆(そとば)といいます。元々はお釈迦様のご遺骨(仏舎利)を納めた舎利塔(塚)を表わす『ストゥーパ』が、中国で『卒塔婆』と音訳されたもので、近年日本では、『そとうば』とか、単に『塔婆(とうば)』また、『お塔婆(おとうば)』と呼ばれることもあります。
今から約二千五百年前、お釈迦様の遺骨(仏舎利)が八万四千に分けられ、その一つ一つにお饅頭のような形をした『塚』が造られました。これがストゥーパの原型です。その塚に傘蓋(さんがい)と呼ばれる輪を重ねた傘のような突起が上に付けられるようになりました。これは貴族や王様が従者に傘をかざさせたことに由来し、暑さなどを避ける傘を舎利塚に付けることで、仏様への供養を表わしています。これは日本でも相輪と呼ばれ、よく仏塔の頂上に付けられています。この傘蓋が段々と大きくなり仏塔となりました。中国に伝わると、中国の木造建築と結びつき多重塔などの仏塔となりました。(南方に伝わったものが、金色に輝くパゴダです。釈迦寺の建物の上にもあります。)日本には、最初中国伝来の五重塔等の多重木造建築として伝わりましたが、古代インドの総ての物は地・水・火・風・空の五つの要素(五大)で作られているという思想と相まって、仏舎利塔も五輪塔という形で建てられるようになりました。ストゥーパを建てると無量の功徳があるといわれ、多くの権力者やお金持ちが五輪塔を石や木で建立しました。お金のない人々は、五輪塔を模した角木を建てるようになります。これがさらに簡略化したのが、現在の卒塔婆です。石の五輪塔も板の卒塔婆も同じストゥーパですので、五重塔を建立するのと同じ功徳があります。卒塔婆を一基建てるのは五重塔を一塔建立するのと同じ功徳のある大変にありがたいものなのです。
お釈迦様を供養するためのストゥーパは、日本人の先祖供養と相まってご先祖様の追善供養として建てられるようになりました。
卒塔婆は、ご先祖様への手紙だという方がいます。極楽浄土にいらっしゃるご先祖様に定期的にお手紙を送り安心させるものという意味です。ですからいつでもどなたでも卒塔婆を建てることはできますが、回忌法要や、お盆・お彼岸などの法要に合わせて建てられる方が多いようです。建てた卒塔婆は次に建てるときに入れ替えるようにすると見た目も良いのではないでしょうか。
合掌
ご先祖様を想う心を卒塔婆という形にしてご供養されてはいかがでしょうか?
*卒塔婆手書きいたします。
3尺(約 90㎝芝墓地用) 1基 3,000円
4尺(約120㎝洋墓地用) 1基 4,000円
5尺(約150㎝和洋墓地用)1基 5,000円
6尺(約180㎝和墓地用) 1基 6,000円
建立される1週間前までにお申し込みください。